「お手柄!隣保班(りんぽはん)」
2004.8.12

 久しぶりに感動する美談を聞きました。日頃思っていることとピッタリしたこともあって、自分が参加したような嬉しい気持ちになりました。

 8月9日(月)午後7時40分頃、夕食を済ませ、8時からの水戸黄門をゆっくり楽しもうとしていた矢先、隣りのアパートの二階から、大きな助けを求める声を聞き、飛び出したOさんは、一階から煙が出ているのを確認すると、ご主人に、「火事だ!消防署に電話して!」と叫ぶと同時に、日頃備えてあるゴムホースを使って夢中で水をかけ、初期消火にあたりました。

 声を聞いた近所の人たちが消化器を持って来たり、バケツに水を入れてかけたりで、幸いにも大事に至らず、消防車が来た時は、すでに火災はくい止められていました。夜のことでもあり、もし火事になったら、密集地の市街地だけに大火になったことに間違いありません。

 この、まるで訓練のような手際の良さは、一体どこからくるのでしょうか。

 実は、この隣保班の住民は、よく隣近所の事情を知っていて、Dさんは外国人の夫婦でどこへ勤めているとか、Kさんは一人暮らしで子供達が何処に住んでいて、時々来るとか、一口で言えば情報通で、しかも、近所付き合いが非常に良く、助け合って住んでいるということでした。

 関東大震災の時も、阪神大震災の時も人的被害の少なかった所は、地域コミュニティーが良く出来ていて、常日頃から住民が仲良く助け合っている所であったことは、被害情報調査でハッキリしています。

 改めて、「向こう三軒両隣り」の日本の社会はまだまだ生きている!ということを、今回の「ボヤ騒動」でも明らかになりました。

 それにしても前述のOさんは、女性に年齢を言っては失礼ですが、70才を超えた、昔で言えば「おばあちゃん」ですが、その機転の良さと冷静さは、話しを聞いてビックリ、いや、感心しました。

 もちろん、誉めてもらう為にやったわけではありませんが、何か、みんなに知らせて、ご近所の有り難さをもう一度考えてもらう機会にしたらどうか、と思ってペンを取った次第です。