「事実ではあるが、真実ではない」
2004.6.28

 私は、数多いテレビ番組の中でも、特に歴史ものの番組が好きです。
 NHKの大河ドラマはいつも欠かさず見ているし、中でも、松平アナ司会の「その時、歴史は動いた」は、特に楽しく興味深く見ています。
 時代の節目節目に、その当事者がどんな決断をしたか、そしてその背景は?。結果は勿論大切ですが、それを導き出したプロセスこそ大事であり、興味深いところです。
 
 子供の頃から、社会科の歴史や地理の本を見るのが好きでした。それは、歴史上の人物は魅力があり、学ぶことが多いからです。
 また、さらに歴史好きになったのは、一人の作家との出会いでした。と言っても、直接会ったわけではなく、本の紙面でのことですが、井沢元彦氏の「逆説の日本史」を読んでから、この本のファンになり、歴史の見方が変わりました。
 
 彼の主張は、「今まで私達に知らされた歴史は事実であるかも知れないが、必ずしも真実ではない」という立場から検証を続けているのです。
 例えば、「この事件について、この学者はこのように解説している。この研究家は、このように分析している。この作家は、このように述べている。」そして、「私はこのように思う」と必ず自分の意見を付け加えています。
 
 彼に言わせると、今まで伝えられている史実は、時の為政者が都合よい解釈を加えたり、大衆が面白おかしく伝えたり、そのプロセスや背景は必ずしも真実とは言えない。
 歴史は正面からだけではなく、横から見たり、下から、上から、時には斜めから見て始めて全体像をつかめることが出来るとの意味を示唆しています。
 
 私は、この考え方に共鳴出来るし、説得力があると思っています。
 井沢元彦氏に出会って、歴史を断片的で一方的な見方で決めつけるのではなく、もう少し自由な発想で促えるようになり、私の歴史感が大きく変わったような気がします。
 一口で言えば、出来るだけ史実を公平に、冷静に見るということではないでしょうか。
 このような見方、考え方で、これからも歴史を楽しく学んで行きたいと思っています。